冬の寒さが厳しくなると、一度入ったら二度と出られなくなる「こたつ」の魔力。できることなら、仕事もゲームも動画鑑賞も、すべてこの温かい聖域の中で完結させたいと願うのは当然のことです。しかし、こたつ机でのPC作業は、どうしても猫背になりやすく、長時間の姿勢維持が辛いという致命的な欠点があります。

「こたつでも快適にパソコンを使いたい」「寝転がったまま映画を見たいけれど、スマホを持つ手が疲れる」そんな悩みを一発で解決してくれるアイテムこそが、ディスプレイアームです。本来はオフィスデスクで使うものですが、実はこたつとの相性も抜群。画面を自由自在に動かせるようになれば、座椅子に深くもたれたままでも、あるいは布団に潜り込んだままでも、ベストな位置に画面を持ってくることができます。

この記事では、こたつにモニターアームを設置する際の天板強度の問題や、こたつ布団との干渉対策、そして失敗しないアームの選び方までを徹底解説します。こたつという最強の居住空間を、さらにアップデートさせるためのノウハウをお伝えします。

  • こたつ天板は「中空構造」が多い!補強プレートで破損を防ごう
  • 布団の上からクランプはNG!安定させるための設置テクニック
  • 寝ながら見るなら「可動域」の広いガススプリング式一択
  • 転倒防止のため、アーム自体の重さとモニター重量のバランスに注意

こたつテーブルにアームを付ける前に知るべき基礎知識

設置タイプ 特徴・メリット こたつ適性 注意点
クランプ式 天板を挟み込んで固定

最も一般的で種類も豊富

△(工夫が必要) 天板の厚みと強度、

布団との干渉対策が必須

グロメット式 天板に穴を開けてボルト固定

強度が非常に高い

×(非推奨) こたつ天板に穴を開ける

必要があるため難易度大

スタンド式

(置き型)

置くだけで設置可能

工事不要で手軽

○(無難) アームのような自由な

位置調整はできない

  1. 天板が割れる?中空構造と「補強プレート」の重要性
  2. 「丸い机」や「こたつ布団」はどう処理する?
  3. 寝ながらPCを実現する「エルゴトロン」の可動域
  4. デュアルモニターにするなら「重心」と「軽さ」を重視せよ
  5. デスクマットやクランプの跡残りを防ぐ工夫

1. 天板が割れる?中空構造と「補強プレート」の重要性

特長

  • モニタアームが前のめりになったり、片方へ傾くのを軽減します。
  • スチール製の天板などで、クランプの接地面積が少ない場合にプレート大を下面にして接地面積を大きくすることも可能です。

引用元:トップ > 製品情報 > 収納・スタンド・パーティション > テレビスタンド・アーム > モニターアーム > CR-LAPLT1W | サンワサプライ株式会社

こたつにモニターアームを取り付ける際、最大のハードルとなるのが「天板の強度」です。引用にもあるように、多くのこたつ天板は軽量化のために内部が空洞になった「フラッシュ構造」や「ハニカム構造」を採用しています。ここにクランプで強い圧力をかけると、メリメリと天板が凹んだり、最悪の場合は割れてしまったりするリスクがあります。

しかし、諦める必要はありません。「モニターアーム補強プレート」という金属製の板を天板とクランプの間に挟むことで、一点に集中する力を分散させることができます。これにより、強度の低いこたつ天板でも安全にアームを固定することが可能になります。

ただし、補強プレートを使っても、アームを極端に伸ばした際のテコの原理による負荷はかかり続けます。あまりに古くて脆い天板や、ガラス天板のこたつには設置を避けた方が無難です。まずは天板の端を軽く叩いてみて、軽い音が響くようなら中空構造の可能性が高いので、必ず補強対策を行いましょう。

2. 「丸い机」や「こたつ布団」はどう処理する?

最近おしゃれな部屋で増えている「円形こたつ(丸い机)」ですが、クランプ式のモニターアームとは相性が良くありません。円のアール(曲線)部分ではクランプの接地面積が確保できず、安定して固定できないからです。この場合、無理に取り付けると滑って外れる危険があります。もし丸いこたつで使うなら、天板が四角いタイプに買い換えるか、あるいはアーム設置部分だけ平らになるような自作のスペーサー(木片など)を噛ませる高度なDIYが必要になります。

また、冬場に必須の「こたつ布団」も厄介な存在です。天板と本体の間に布団を挟むため、その上からクランプで締め付けると、布団の厚みでグラグラと不安定になってしまいます。

解決策としては、天板自体にはクランプせず、こたつの脚がある土台(幕板)部分にスペースがあればそこに固定するか、もしくは天板に固定する部分だけ布団に「切り込み」を入れて、天板とクランプが直接触れるように加工する方法があります。布団を傷つけたくない場合は、モニターアーム用のスタンドを別途床に置く「独立スタンド型」を検討するのも一つの手です。

3. 寝ながらPCを実現する「エルゴトロン」の可動域

「こたつで寝転がったまま動画を見たい」という究極の堕落(リラックス)スタイルを目指すなら、アームの可動域とスムーズさが命です。安価なアームだと、動かすのに力が必要だったり、思うような低い位置まで画面が下りてこなかったりすることがあります。

ここで圧倒的な強さを発揮するのが、業界標準とも言える「エルゴトロン」のアームです。特許技術によるスムーズな動きは、指一本で画面の位置を調整できるほど。特に「チルト(上下の角度調整)」と「ローテーション(回転)」の自由度が高く、画面を天井に向けるような角度や、床ギリギリまで下げる配置も容易です。

ただし、可動域が広い分、アーム自体のサイズも大きくなります。小さなこたつだと圧迫感が出ることもあるため、設置スペースの確認は念入りに行いましょう。快適さを手に入れるためには、この「動きの質」への投資は決して無駄にはなりません。

4. デュアルモニターにするなら「重心」と「軽さ」を重視せよ

こたつで作業効率を爆上げするために「デュアルモニター(2画面)」を検討する方もいるでしょう。しかし、こたつテーブルは一般的なオフィスデスクに比べて軽量であることが多いため、重量バランスには細心の注意が必要です。

2枚のモニターとアーム本体の重さが天板の片側に集中すると、アームを伸ばした瞬間にこたつごとひっくり返る「転倒事故」が起こり得ます。これを防ぐためには、できるだけ軽量なモニターを選ぶことが重要です。最近ではモバイルモニターのような超軽量モデルも販売されているので、サブモニターにはそういった製品を選ぶのが賢い選択です。

また、アームの取り付け位置を天板の中央付近にする、あるいは反対側に重しとなる物を置くなどして、重心が偏りすぎないように工夫しましょう。安全性を考えるなら、シングルアームで大きめのウルトラワイドモニターを1枚導入する方が、重心管理は楽になります。

5. デスクマットやクランプの跡残りを防ぐ工夫

賃貸物件備え付けのこたつや、大切に使っている家具の場合、クランプの締め付け跡(傷や凹み)は絶対に避けたいところです。前述の補強プレートは傷防止にも役立ちますが、さらに念を入れるなら、プレートと天板の間に薄いゴムシートやフェルトを挟むのがおすすめです。

また、天板の上にデスクマットを敷いている場合、その上からクランプで挟むと、マットの素材によっては滑りやすくなったり、マット自体がよれてしまったりします。基本的にはデスクマットを避けて、天板に直接(保護材を介して)固定するのがセオリーです。

コクヨの「LEAN(リーン)」シリーズのようなモニターアーム対応デスクであれば、最初からクランプ用の切り欠きや保護設計がされていますが、こたつは基本的に「非対応」です。だからこそ、過剰なくらいの保護対策をして損はありません。美しい天板を守りながら、最新の利便性を手に入れましょう。

こたつライフを加速させる!おすすめモニターアーム5選

ここからは、こたつという特殊な環境でも使いやすい、信頼性の高いモニターアームを紹介します。価格だけでなく、設置のしやすさや可動域の広さを基準に選定しました。

  1. エルゴトロン / LX デスクマウント モニターアーム
  2. グリーンハウス / 液晶ディスプレイアーム ガススプリング式
  3. エレコム / モニターアーム シングル ガス式
  4. サンワダイレクト / モニターアーム 高耐荷重
  5. アイリスオーヤマ / ディスプレイアーム DA-4550
No. 製品名 参考価格 特徴・メリット こんな人におすすめ
1 エルゴトロン LX ¥22,000~ 圧倒的な可動域と耐久性

10年保証の安心感

寝ながらPCを

本気で実現したい人

2 グリーンハウス ガス式 ¥6,000~ コスパ抜群の定番モデル

スムーズなガス式

初めてのアーム導入で

失敗したくない人

3 エレコム DPA-SL01BK ¥5,000~ 5軸可動で調整しやすい

国内メーカーの安心感

手頃な価格で

環境を整えたい人

4 サンワダイレクト 高耐荷重 ¥4,500~ 支柱が高めで座椅子と

相性が良い設計

厚めの座布団や

座椅子を使う人

5 アイリスオーヤマ DA-4550 ¥3,500~ シンプルで頑丈

無駄のないデザイン

機能を絞って

安く抑えたい人

1. 寝姿勢への追従性は世界一 エルゴトロン / LX デスクマウント モニターアーム

モニターアーム界の王様、エルゴトロンのLXシリーズは、価格こそ高いものの、それに見合うだけの価値があります。最大の特徴は、特許技術による「コンスタント・フォース」技術。ガスの力ではなくバネの力で制御するため、経年劣化に強く、驚くほど軽い力でスーッと動いてピタッと止まります。

こたつでの使用において、この「軽さ」は正義です。寝転がった不安定な体勢からでも、片手で画面を引き寄せたり、角度を変えたりすることがストレスなく行えます。可動域も広く、低い位置へのセッティングも得意。もし予算が許すなら、最初にこれを買っておけば間違いなく「安物買いの銭失い」を回避できます。

2. コスパと性能のバランスが絶妙 グリーンハウス / 液晶ディスプレイアーム ガススプリング式

日本のPC周辺機器メーカー、グリーンハウスのアームは、入門機として圧倒的な人気を誇ります。ガススプリング式を採用しており、付属の六角レンチでガスの圧力を調整すれば、スムーズな昇降が可能になります。

数千円台で購入できるにもかかわらず、作りはしっかりとしており、ケーブルガイドなどの基本的な機能も網羅されています。クランプの対応幅も広く、様々な厚みの天板に対応しやすいのもポイント。まずはこれで「モニターが浮く便利さ」を体感してみるのが、こたつ改造計画の第一歩としておすすめです。

3. 初心者にも優しい設計 エレコム / モニターアーム シングル ガス式

エレコムのこのモデルは、5軸可動のロングアームを採用しており、こたつの奥側に設置しても手元までしっかりと画面を引き寄せることができます。ガススプリング式なので、少ない力で高さを変えられるため、座椅子に座ったり、横になったりと頻繁に姿勢を変えるこたつユーザーに最適です。

国内メーカーらしく日本語のマニュアルがわかりやすく、取り付けに必要な工具も同梱されているため、DIYに不慣れな方でも安心して設置できます。黒一色のシンプルなデザインは、和室のこたつにも違和感なく馴染みます。

4. 座椅子派に嬉しい高さ確保 サンワダイレクト / モニターアーム 高耐荷重

サンワダイレクトのこのモデルは、支柱(ポール)がしっかりとあるタイプです。これにより、モニターの基本位置を高めに設定することができます。厚手の座椅子やゲーミング座椅子を使っている場合、低いアームだと目線が下がりすぎて猫背になりがちですが、これなら適切な高さを確保できます。

耐荷重もしっかりしており、少し大きめのモニターでも安定して支えてくれます。アーム部分は水平方向に多関節で動くため、自分との距離調整も容易。質実剛健な作りで、長く使える一台です。

5. とにかく安くシンプルに アイリスオーヤマ / ディスプレイアーム DA-4550

余計な機能はいらない、とにかくモニターを浮かせてスペースを空けたいという方には、アイリスオーヤマのモデルが最適です。ガス式ではなく機械式のバネやネジ固定を中心とした構造ですが、その分構造がシンプルで故障しにくく、価格も非常にリーズナブルです。

頻繁に高さを変える用途には向きませんが、「動画を見る位置はいつも決まっている」という固定設置派ならこれで十分。浮いたモニタースタンドの分だけこたつの天板が広くなり、みかんやお茶を置くスペースが生まれます。低予算で環境を改善したい方の強い味方です。

まとめ:こたつ×モニターアームで冬の堕落(幸せ)を極めよう

こたつにモニターアームを導入することは、単なるガジェットの追加ではありません。それは、冬の生活の質(QOL)を劇的に向上させるリノベーションです。

  • まずは天板チェック:叩いて軽い音がしたら中空構造。必ず「補強プレート」をセットで購入しましょう。
  • 可動域を確認:寝ながら見るなら、上下左右に柔軟に動く「ガススプリング式」が必須条件です。
  • 安全第一で:転倒防止のため、モニターは軽量なものを選び、設置位置のバランスに気をつけましょう。

天板の強度確認や補強プレートの準備など、いくつかのハードルはありますが、それを乗り越えた先には「寝ながら大画面」という至福の時間が待っています。無理な姿勢から解放され、体への負担を減らしつつ、温かいこたつの中でデジタルライフを満喫する。そんな夢のような環境を、ぜひこの冬こそ実現させてください。