念願のエルゴトロン製モニターアームをデスクに設置し、いざモニターを動かそうとした瞬間、「あれ? びくともしない…」と焦った経験はありませんか? 不良品を引いてしまったのではないかと不安になり、力任せに動かそうとして関節を痛めそうになった方もいるかもしれません。

実は、新品のモニターアームが固くて動かないのは、故障ではなく「仕様」であることがほとんどです。特にエルゴトロン製品は、重いモニターもしっかり支えられるよう、出荷時は張力が強めに設定されているケースが多いのです。

この記事では、ガチガチに固まったアームを指一本で動かせるようにするための正しい調整方法や、逆にモニターの重みでお辞儀してしまう時の対処法をわかりやすく解説します。適切な設定を行えば、まるで無重力のようなスムーズな操作感が手に入ります。

  • 新品のアームは「モニターを取り付けてから」調整するのが鉄則
  • アームが下がるときは「反時計回り」、上がるときは「時計回り」にネジを回す
  • お辞儀防止のチルト調整は、モニター裏の隠れたネジを締めるべし
  • 力任せはNG!付属の六角レンチ一本で劇的に改善できる

アームが固い・下がる原因と正しい調整手順

症状 主な原因 調整すべき箇所 解決策
アームが下がらない

(固すぎる)

リフト強度が強すぎる

モニターが軽すぎる

関節部分の

主昇降ネジ

「時計回り」に回して

張力を弱める

勝手に下がる

(保持できない)

リフト強度が弱い

モニターが重すぎる

関節部分の

主昇降ネジ

「反時計回り」に回して

張力を強める

お辞儀する

(チルト固定不可)

チルト摩擦力が弱い

重心が偏っている

モニター裏の

チルトネジ

ネジを締めて摩擦力を

高める

  1. なぜ新品はガチガチなのか?動かす前の大原則
  2. 「重みで下がる」vs「跳ね上がる」ネジを回す方向の正解
  3. モニターがお辞儀する!チルト(角度)調整のコツ
  4. 画面が回転しない?取り付け順序と構造の罠
  5. 意外と知らない配線の余裕とデスク厚みへの対応

1. なぜ新品はガチガチなのか?動かす前の大原則

簡単な調整

CFベース製品は、幅広い重量範囲を扱います-CFマウントの能力は、ネジを簡単にねじるだけで変更でき、どんな設備も同じ一定の力が動作範囲をサポートします。

引用元:Constant Force™ テクノロジー | Ergotron

箱から出して組み立てたばかりのアームを、手で押し下げようとしても全く動かないことがあります。「関節が錆びついているのでは?」と疑いたくなりますが、引用元にもある通り、これは正常な状態です。

エルゴトロンのアームは「コンスタント・フォース」という技術を使っており、バネの力でモニターの重量を持ち上げる仕組みになっています。つまり、モニターという「重り」が載っていない状態では、バネの力が勝ってしまい、アームは常に上へ上へと跳ね上がろうとします。

この状態で無理やり押し下げようとするのは、強力なバネと腕力だけで戦うようなもので、非常に困難かつ危険です。まずは説明書通りにデスクへ固定し、モニターを取り付けてください。重りさえ載れば、驚くほど簡単に動くようになるケースがほとんどです。調整は必ず「設置完了後」に行いましょう。

2. 「重みで下がる」vs「跳ね上がる」ネジを回す方向の正解

モニターを取り付けた後、次に直面するのが「手を離すと勝手に下がってくる(または上がってしまう)」というバランスの問題です。これを解決するには、アームの関節部分にある調整ネジを付属の長い六角レンチで回します。

ここで多くの人が混乱するのが「どっちに回せばいいのか?」です。一般的なネジは「右(時計回り)に回すと締まる」ですが、エルゴトロンの張力調整は少し直感と異なります。
基本ルールは以下の通りです。

モニターが勝手に下がる場合: バネの力が負けている状態です。レンチを「反時計回り(左)」に回して、バネを強くします。

モニターが勝手に上がる(固くて下がらない)場合: バネの力が強すぎる状態です。レンチを「時計回り(右)」に回して、バネを弱めます。

アーム本体にも「+(強)」「-(弱)」や矢印の刻印がある場合が多いので、よく確認しながら少しずつ回して調整しましょう。

3. モニターがお辞儀する!チルト(角度)調整のコツ

大型のモニターや、重心が前方にある曲面モニターを使っていると、画面が下を向いてしまう「お辞儀」現象が起こることがあります。これはアームの昇降機能とは別に、首振り部分(チルト)の摩擦力が不足していることが原因です。

この問題を解決するには、モニターを取り付けているブラケット部分の裏側や側面、または下部にある小さなネジを探してください。このネジを締めることで摩擦力が増し、重いモニターでも任意の角度でピタッと止まるようになります。

逆に、角度調整が固すぎて画面を上に向けられない場合は、このネジを少し緩めます。ただし、緩めすぎると急にガクンと下を向いてしまい、モニターがデスクに激突する恐れがあるため、必ず片手でモニターを支えながら慎重に作業を行ってください。

4. 画面が回転しない?取り付け順序と構造の罠

縦置きモニターとして使いたいのに、「画面が回転(ピボット)しない」「固くて回らない」というトラブルもよくあります。これには2つのパターンが考えられます。

1つ目は、単に回転軸が固着気味な場合です。モニターの両端を両手でしっかり持ち、ゆっくりと力を加えてみてください。一度動き出せばスムーズになることがあります。
2つ目は、取り付けネジの長さや締め付けすぎによる干渉です。VESAマウントのネジが長すぎて内部の機構に当たっていたり、プレートの向きが間違っていたりすると物理的に回りません。

また、一部のモデルには「回転ストッパー」のネジがついていることがあります。これが有効になっていると90度回転などが制限されるため、説明書を確認してストッパーを解除する必要があります。

5. 意外と知らない配線の余裕とデスク厚みへの対応

アームの動きをスムーズにするためには、ケーブルの配線(ケーブルマネジメント)も重要です。ケーブルをピーンと張った状態でまとめてしまうと、アームを伸ばした際にケーブルが突っ張ってしまい、可動域を制限したり、端子を破損させたりする原因になります。

アームのカバーの中にケーブルを通す際は、アームを最大まで伸ばし、さらに画面を回転させた状態で長さに余裕を持たせて結束バンドなどで固定しましょう。これを怠ると、「アームは動くはずなのに、ケーブルが邪魔で動かない」という本末転倒な状態になります。

また、デスクの天板が薄すぎる場合や、ガラス天板の場合、クランプをしっかり締め込んでもグラつきが発生し、アーム本来の性能を発揮できません。その場合は、市販の「補強プレート」を挟むことで土台が安定し、アームの動きもよりスムーズになります。

快適なデスク環境を作る!エルゴトロン&便利アイテム5選

ここからは、信頼性の高いエルゴトロン製品と、設置や運用を助ける便利なアイテムを紹介します。自分の環境に合ったモデルを選ぶことが、快適なPCライフへの近道です。

  1. エルゴトロン / LX デスクマウント モニターアーム
  2. エルゴトロン / MXV デスクマウント モニターアーム
  3. エルゴトロン / HX デスクマウント モニターアーム
  4. エルゴトロン / クイックリリース ブラケット
  5. エルゴトロン / 補強プレート
No. 製品名 参考価格 特徴・メリット こんな人におすすめ
1 LX デスクマウント ¥19,000~ 圧倒的な可動域と耐久性

最もスタンダードな名機

初めてアームを買う人

迷ったらコレ

2 MXV デスクマウント ¥17,000~ スリムでスタイリッシュ

デスクが狭くても設置可

デザイン重視の人

壁際で使いたい人

3 HX デスクマウント ¥35,000~ 超大型・重量級対応

49インチ等も余裕で保持

ウルトラワイドや

重いモニターの人

4 クイックリリース ¥2,500~ ワンタッチで着脱可能

設置・移動が劇的に楽

頻繁に模様替えする人

メンテを楽にしたい人

5 補強プレート ¥1,500~ 天板の歪みを防止

安定感が向上する

薄い天板の人

机を傷つけたくない人

1. 世界中で愛される不動の定番 エルゴトロン / LX デスクマウント モニターアーム

モニターアーム選びで失敗したくないなら、まずはこの「LXシリーズ」を選べば間違いありません。34インチ、11.3kgまでのモニターに対応し、一般的なPC環境ならほぼ全てのニーズをカバーします。

最大の特徴は、一度調整すれば指一本でヌルヌルと動くその操作性です。10年保証という驚異的な耐久性を持ち、安価なアームのように数年でガスが抜けてお辞儀してしまう心配もありません。初期投資は少し高く感じるかもしれませんが、長く快適に使い続けられることを考えれば、コストパフォーマンスは最強のモデルです。

2. デザインとスリムさを追求 エルゴトロン / MXV デスクマウント モニターアーム

LXシリーズの機能を維持しつつ、よりスマートなデザインに進化させたのが「MXV」です。V字型のスタイリッシュなデザインは、リビングやモダンなオフィスにも違和感なく溶け込みます。

このモデルの利点は、折りたたんだ時のコンパクトさにあります。アームを壁際ギリギリまで押し込むことができるため、奥行きのないデスクでも圧迫感なく使用できます。ただし、対応重量や可動範囲がLXとは微妙に異なるため、自分のモニターサイズが対応しているか事前にチェックしましょう。

3. 重量級モニターを支える力持ち エルゴトロン / HX デスクマウント モニターアーム

49インチのウルトラワイドモニターや、プロ用のカラーマネジメントモニターなど、普通のモニターアームでは支えきれない重量級モデルを使っているなら、この「HX」一択です。最大19.1kgまで対応する強靭なバネを搭載しています。

特に素晴らしいのが、強力なチルト(首振り)機構です。重いモニターでもお辞儀することなく、ピタッと角度を維持してくれます。もしサムスンのOdyssey G9のような極端な曲率を持つモニターを使う場合は、別売りの「ヘビーデューティーチルトピボット」と組み合わせることで、完璧な設置が可能になります。

4. 設置のイライラを解消する魔法のパーツ エルゴトロン / クイックリリース ブラケット

モニターアームの設置で一番大変なのが、「重いモニターを持ち上げながらネジを締める」作業です。このクイックリリースブラケットを使えば、その苦労から解放されます。

事前にモニター側にブラケットを取り付けておけば、あとはアーム側の受け口に「カチャッ」とはめるだけで設置完了。取り外しもワンタッチで行えるため、掃除や模様替え、引っ越しの際にも非常に便利です。アームと同時購入を強くおすすめしたい、隠れた名品です。

5. デスクを守り、安定感を増す エルゴトロン / 補強プレート

アームの動きがどうしてもスムーズにならない場合、実は「デスクの剛性不足」が原因かもしれません。薄い天板や中空構造の天板にアームを取り付けると、クランプ部分がたわんでしまい、アームを動かすたびに土台ごと揺れてしまいます。

この補強プレートを挟むことで、一点に集中する負荷を分散させ、天板の歪みを防ぐことができます。結果としてアームの土台が安定し、モニターの揺れも軽減されます。大切なデスクを傷や凹みから守るためにも、ぜひ導入しておきたいアイテムです。

まとめ:正しい調整で、エルゴトロン本来の実力を引き出そう

エルゴトロンのモニターアームが「固い」と感じるのは、その高い保持力の裏返しであり、決して不良品ではありません。焦らずにモニターを取り付け、適切な方向にネジを回して調整すれば、驚くほど快適な操作性が手に入ります。

  • まずは設置:モニターを取り付けて重さをかけてから調整スタート。これ鉄則です。
  • ネジの方向:下がるなら「反時計回り」、上がるなら「時計回り」。少しずつ回して様子を見ましょう。
  • 環境を整備:配線の余裕を持たせ、補強プレートで土台を安定させれば、さらに動きが滑らかになります。

一度ベストなバランスを見つければ、あとは指先一つで画面を自由に操れるようになり、デスクワークの生産性も肩こりの悩みも劇的に改善されるはずです。ぜひ今回の手順を参考に、あなただけの無重力体験を実現してください。